今回は、昨今話題のAIと建築設計業務の関係について考えます。
具体的にAIは設計において何ができるのかイメージしにくかったので、身近なAIであるGoogleのGeminiに質問しながら考察を深めます。

 

建築構造設計におけるAIの可能性 (Geminiの回答)

Geminiに、AIは建築構造設計において何ができるの聞いてみました。以下4つのポイントに分けて回答してくれました。

  1. 設計支援
    近年、AI技術の発展は目覚ましく、建築構造計算分野にも大きな影響を与えようとしています。従来の構造計算は、経験と勘に基づいて行われてきましたが、AIは膨大なデータを学習し、設計者の経験や勘を超える精度で構造計算を行うことができます。また、AIは、設計条件に基づいて最適な構造部材を提案してくれ、自動的に設計図を作成することができます。
  2. 安全性向上
    AIは、人間が見落としがちな要素も考慮して設計を行うことができます。例えば、地震や台風などの荷重だけでなく、温度変化や風圧などの影響も考慮することができます。
  3. コスト削減
    AIは、設計作業を自動化することで、設計時間を大幅に短縮することができます。

    AIは、構造解析結果に基づいて、材料の使用量を最適化することができます。
    AIは、施工計画を最適化することで、施工の効率化を図ることができます。
  4. その他
    AIは、従来の構造形式では実現できなかったような、新しい構造形式を開発することができます。

 

AIによる建築構造設計の課題 (Geminiの回答)

AIによる建築構造設計は多くの可能性を秘めている一方で、いくつかの課題も存在します。
課題について質問したところ、回答は以下の通りでした。

責任の所在:AIによる設計ミスが発生した場合、誰が責任を負うのかが明確ではありません。設計者、AI開発者、建築主など、誰が責任を負うべきなのかについて議論されています。

倫理的な問題:AIが設計した建築物が、安全性や美しさなどの観点から問題ないのかが議論されています。AIは人間の価値観や倫理観を理解することができないため、安全性や美しさなどの観点から問題のある建築物を設計する可能性があります。

 

 

AIによる建築構造設計の実例

ここでAIが実際に業界内でどのように実用されているのかについても聞いてみました。スーパーゼネコンでは自社開発のAIのシステムが利用されているそうです。
 

  1. 清水建設 「SYMPREST」
    SYMPRESTというシステムです。建築物の形状や規模を入力すると、AIが最適な構造架構を提案します。従来の設計方法と比べて、設計時間を大幅に短縮することができます。

  2. 竹中工務店「構造設計AIシステム」
    構造設計AIシステムは、過去の設計データに基づいて、最適な構造部材の配置や寸法を提案します。従来の設計方法と比べて、設計精度を向上させることができます。
  1. 大成建設「AI設計部長」
    AI設計部長は、建築物の形状や規模を入力すると、AIが基本設計から実施設計までを自動的に生成します。従来の設計方法と比べて、設計時間を大幅に短縮し、設計精度を向上させることができます。
  2. 鹿島建設「AIせん断壁配置支援システム」
    AIせん断壁配置支援システムは、建築物の形状や規模を入力すると、AIが最適なせん断壁の配置を提案します。従来の設計方法と比べて、地震時の安全性向上とコスト削減を実現することができます。

  3. Obayashi Corporation「AI-Checker」
    AI-Checkerは、構造図を入力すると、AIが設計ミスや構造上の問題点を検出します。従来の設計方法と比べて、設計精度を向上させることができます。

 

Geminiによる まとめ


AI技術は日々進化しているため、最新情報を常に把握する必要があります。
建築家は、AIを使いこなすためのスキルを身につける必要があります。
AIは、建築構造計算の未来を大きく変革する可能性を秘めています。

ということでした。
今後建築設計の中にもますます浸透してくると思われるAI、注視していきたいと思います。