「松本の晴天率は高い」

先日、携わっている業務の関係で日中に市街地の景観写真を撮りに行きました。
午前中は曇天で昼ころから雲が切れて青空が見え始めてきましたが、突然雨が降ってきました。いわゆる天気雨です。
真上を見ると雲はなく、結構な勢いで、降る雨は周囲の雨雲から風で運ばれてきたような感じでした。
四方は厚い雲で覆われ、頭上の空は抜けるような青。見慣れた風景ではありますが、これを見ながら「松本の晴天率は高い」という話を思い出しました。

統計上は松本の晴天率は全国でもトップクラスで、年間の日照時間はここ十年の平均で約2100時間。冬の降水量の少ない東京と比べても150時間ほど長いのです。

山に囲まれて日の出が遅く日の入り早い松本では、実際の差はもっと大きいと思います。

 

地域による気候差の大きい松本

ただ、現在の松本市は東は美ヶ原から西は乗鞍までと広く、個々の地域での気候の差は激しく、松本測候所と奈川測候所のデータでは気温で夏は4度、冬は3度ほど奈川の方が低いそうです。降水量は松本は年間平均で1000㎜程度なのに奈川は2000㎜と倍もあります。

それを考えると松本市と括っても平野部と山間部では日照時間も大きく隔たりがあり、まったく違う地域と考えてもいいくらいです。

 

松本における省エネ基準地域区分について、まとめ

少し話がそれますが、建物の断熱性能を決める省エネ基準地域区分では、以前は松本の中心部は4地域、旧安曇や波田、梓川といった西側の山間部は3地域に区分されていたのですが、2019年に改正があり松本は全地域が同じ4地域になりました。

日照時間が短く、気温も低くなる山間部で平野部と同じ基準で計算していいのはどうなんだろうと考えてしまいますが、基準はあくまで基準であると考えてケースバイケースで対応していくしかないのだろうと今は考えています。

もちろんオーナー様の意向もありますが、特に低温になる山間部では基準を満たすという事以上に性能を上げるべきか、念頭に置いて設計をするべきではと思っています。