テレビドラマ「名建築で昼食を」をご存知ですか?

皆さんは「名建築で昼食を」というテレビドラマをご存知でしょうか。
(番組公式ページ:https://www.tv-osaka.co.jp/meikenchiku202008/)

物語はカフェ開業を夢見ているOLが建築巡りを趣味とする中年の建築模型士とSNSで出会うところから始まります。

 

この作品は、甲斐 みのりの「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」という本が原作のドラマです。
主人公2人の掛け合いはもちろんのこと、舞台となる数々の名建築からも目が離せません。
(書籍「歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ」:  https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767824789)

毎回名建築を巡りながら、その建物で昼食をいただくというのが大きな魅力です。
以下では、ドラマ・東京編に登場するロケ地に触れていきたいと思います。

 

ロケ地1 : 自由学園明日館

一つ目のロケ地は、「自由学園明日館」です。

明日館は東京都豊島区西池袋にあり、1921年(大正10年)に女学校として設立された建物です。帝国ホテルの設計で来日していた近代建築の巨匠フランクロイド・ライトとその助手の遠藤 新により設計されました。
1997年に国の重要文化財として登録されています 。

特徴的なのは水平に広がる直線が美しいプレイリーハウスです。プレイリーハウスはアメリカの大草原によく似合う建築形態で、草原住宅と呼ばれています。
ライト式建築では水平線を積極的に取り入れることにより、建築と自然との融合・調和を図ったと言われています。


※写真をクリックすると公式ホームページへ飛びます。

建物全体の意匠は幾何学模様にまとめられており、ホールの窓には高価なステンドグラスを使用する代わりに、木製の窓枠や桟を幾何学的に配して工費を低く抑え、かつユニークな空間構成が実現されています。(公式ホームページより引用)

 

また、ライトは内外の空間の連続性、建築と家具のデザインの統一性をも目指していたと言われています。
自由学園明日館の中にも、六角形の建物には 六角形の家具というように統一性が見られます。
これらの家具は、修復をしながら今でも使われています。

別の特徴としては、学校建築には珍しく食堂が建物の中心にあることが挙げられます。
これは、全校生徒が集まり手作りのあたたかい昼食をいただくことが、羽仁夫妻が願った教育の基本であったためです。

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現在はこの食堂でお茶やコーヒー、夜間はお酒も楽しめます。

 

ロケ地2 : ビヤホールライオン銀座七丁目店

二つ目のロケ地はビヤホールライオン銀座七丁目店。現存する日本最古のビアホールです。設計者は 菅原栄蔵、1934年に竣工しました。
2022年に国の登録有形文化財として登録されています。 


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入り口を入ってすぐの正面には見事なガラスモザイクの壁画が広がります。


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内装のコンセプトは「豊穣と収穫」。所々に大麦や葡萄をモチーフにした装飾が施されています。

大麦を表現した緑の柱や、

葡萄の房をイメージした照明、

ビールの泡をイメージした照明も見受けられます。

店内の赤レンガの壁は、豊かな実りをはぐくむ大地をイメージしているそうです。

オープン当時から変わらぬレトロなタイルに、こだわりの詰まった空間、非常に魅力的です。
(参考:ビヤホールライオン公式ホームページ

 

 

おわりに(松本の歴史的建築など)

ホテルや美術館、学校、そして普段何気なく目の前を通っているお店なども、その建物にまつわるエピソードを知ることで新たな魅力を発見できます。

たとえば、弊社の所在地であるここ松本市では、明治時代に作られた西洋建築が目に止まります。
外観はもちろん、窓の形や、タイル・レンガが使用された当時としてはモダンな作りの建築物が印象的です。月日を経ても多くの人たちによって使われ、生かされている建物が多く存在します。

弊社では、これらの建物が月日の経過とともにどの程度いたんでしまうのか、把握することが重要と考えます。歴史的建造物にも適切に手入れをし、長く活躍する建築として残していきたいものです。